過活動膀胱 前立腺肥大の考え方ガイドライン

過活動膀胱の検査を診断

 

過活動膀胱を診断

従来、頻尿や尿失禁を診断する際には、膀胱の内圧を測定するような尿流動態検査を行って、膀胱の不推移収縮、つまり排尿筋過活動を証明するのが一般的でした。

 

しかし、この検査は体に対する負担が大きく、苦痛を伴う検査であることや、時間や費用が過かることから、すべての患者さんに行うことはとても困難です。

 

こうしたことから、患者さんの自覚症状をもとに診断しようという気運が世界的に高まってきています

 

過活動膀胱という新しい疾患概念が提唱されました。したがって過活動膀胱の診断は、原則的には自覚症状のみから行うことになっています。

 

しかし病気や状態が原因である場合は過活動膀胱だと診断することができませんので以下のような検査が必要になってきます。

 

過活動膀胱の門診

 

過活動膀胱は原則として自覚症状のみから診断するため、排尿状態についての詳細な問診が必要となってきます。おしっこが近くて間に合わず、下着を濡らしてしまう。というのが患者さんの大多数の訴えることです。

 

したがって、尿意切迫感の有無とその頻度、一日の排尿回数、夜間排尿回数、切迫性尿失禁の有無、などの頻度や程度について調べる必要があります。

 

また、ほかの病期との鑑別のため腹圧性尿失禁、排尿時痛、排尿困難、血尿などの有無についても調べる必要があります。

 

排尿日記

 

排尿日記をつける

排尿日記は過活動膀胱の診断に極めて有用で、患者さん自身に日々の排尿状態を記していただき、起床と就寝の時刻、排尿の時刻、排尿量、尿意切迫感の有無、尿失禁の有無を排尿のたびに記録していきます。

 

また、尿漏れがあった時には、その状況、例えば、トイレに間に合わずとかくしゃみをしたときなどを備考として記録しておきます。

 

排尿量の計測には計量カップなどに取ってもらう必要があります。

 

排尿日記から、その患者さんの特徴を読み取ることができ、その特徴をそのまま検査の方法を決める指針としたりします。

 

たいていの患者さん場合はそんな面倒なことはしたくないといわれる方が多いですが、これをしないととても苦痛な検査をすることになってしまいます。

 

尿検査

 

膀胱炎や前立腺炎などの尿路感染症でも、過活動膀胱と同様の症状が起こることがあります。

 

このため、尿路感染の有無を調べるための尿検査は必須で、尿を採取し尿中の白血球や赤血球などのいろいろな成分を調べます。

 

超音波検査

 

膀胱がんや膀胱結石、前立腺がんや前立腺肥大症などの有無を調べるために超音波検査を行います。

 

人間ドックや胎児診断でおなじみの検査です。痛みなどの体に対する負担は一切ありません。

 

前立腺を詳しく調べる必要がある場合は、専用の装置を用いた直腸からの検査、径直腸的超音波検査が必要になることもあります。

 

尿流測定・残尿測定

 

過活動膀胱を診断するためには、膀胱の内圧を測定するような尿流動態検査を行う必要はありません。

 

しかし、ただ専用のトイレで排尿するだけで尿の勢い、排尿量、排尿時間などを測定出来る尿流測定。

 

あるいは尿流測定の後に行う超音波検査による残尿測定はぜひ受けておきたい検査です。

 

これらの検査で前立腺肥大症に伴う過活動膀胱と診断された倍や残尿量が多い場合には、治療法や投与する薬が異なることがあるためです。

 

その他の検査

 

尿検査で血尿が認められた場合など、膀胱内などの尿路悪性腫瘍の存在が疑われた際には、尿中の悪政細胞の有無を調べるために尿細胞診という検査が必要になります。

 

あるいは、前立腺がんの存在が疑われた場合には前立腺がんの腫瘍マーカーである、PSAを血液検査で測定する必要があります。