過活動膀胱 前立腺肥大の考え方ガイドライン

内分泌療法

 

内分泌療法のことをホルモン療法と呼ぶこともあります。

 

前立腺がんの発生や進行にはテストステロンと呼ばれる男性ホルモンが深く関与しているのです。

 

このテストステロンの分泌を抑えてがんを小さくする治療法が内分泌療法です。

 

残念ながら、がんを完全に死滅することはできません。とりわけ癌をコントロールする治療法といえます。

 

転移がある場合、あるいは手術療法や放射線療法が行えない場合、または手術療法や放射線療法に併用する形で通常行われます。

 

精巣摘出手術(去勢術)

 

かつては、男性ホルモンの源である左右両方の精巣を手術で摘出し、男性ホルモンを遮断することが主流でした。

 

この治療法が前立腺がんに有効だということを発見したアメリカの泌尿器科医は、この功績により、ノーベル賞を受賞しています。

 

しかし今ではすぐれた薬が開発されたためこの方法は何らかの理由で薬が使用できない人のための治療法という位置づけになっています。

 

薬物による内分泌療法

 

精巣を摘出した場合と同程度に男性ホルモンの作用を抑えることができる薬が開発されています。

 

脳下垂体に作用して精巣からの男性ホルモンの作用を抑えるLH−RHアゴニストと内服の抗男性ホルモン剤です。

 

LH−RHアゴニストとしては、リュープロレリンとゴセレリンがあります。いずれも一か月に一回あるいは三か月に一回注射する二つの種類があります。

 

抗男性ホルモン剤としては、ビタルタミド、フルタミド、そして酢酸クロルマジノンがあります。

 

LH−RHアゴニストと抗男性ホルモン剤の併用療法が主流となっています。女性ホルモン剤が盛んに使われた時代もありましたが、心血管系への悪影響などから、現在では特殊な場合にのみだけに使用されるようになっています。

 

これらの薬品はいわゆる抗がん剤ではなく、がんに対する薬というイメージされる副作用はありません。

 

目立った副作用としては、体のほてり、乳房の痛み、勃起障害などです。さらに薬の価格が高額だということも問題です。

 

そのため経済的な負担を少なくするために精巣の摘出手術を選択される患者さんも多いです。

 

確かに内分泌療法はノーベル賞の受賞するほどの有効な治療法です。

 

ほとんどの患者さんでその効果は期待できます。しかし、がんの再燃という状態があります。

 

このメカニズムは明らかにはされていないのですが、内分泌療法をとっている患者さんの中には、その治療中にがんが再燃する状態になる方がまれにおれます。

 

そのリスクも把握したうえで、手術の方法を決めるようにしてください。